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2019年11月01日

まほろば紀行 永六輔氏と行く検証の旅『元興寺にて』③

 追記・『遠くへ行きたい』が放映されたあと、永さんに「あの柱のからくり、テレビを見ててわかりましたよ」とすぐに知らせた人がありました。コンピュータ・グラフィックスをやっている女性でした。また、私の知人も、「この間の柱は、こういう風に作ったのではありませんか」と、プラスチック材で柱の模型を作ってみせてくれました。


 そして、しばらくして、満を持してと申しますか、永さん自身が大型の積み木のような模型で、「三波さん、さ、さ、見てください」と、じっくり講義をしてくださいました。
 ほんの短い放映シーンをきっかけに、いろいろな人が作業を開始されて、それぞれ、造形製作......。やっぱり日本人は生産性が高い!

「日本人は生産性が高い」。
この言葉を三波春夫が発するのを聞いたのは、取材を受けている最中、シベリア抑留時代を語っていたときでした。
“抑留中に、仲間を励ますために、戦時の前に職業としていた浪曲を語っていたけれども、そのうちに有志と共に演劇もするようになり、脚本、演出、主演をした。
その折、縄を湯がいてほどいて糸のようにして、それで島田髷のカツラを作った人がいたり、材料が無い中で皆で衣装も小道具も器用に作るのを見て、驚いた”
そういった状況を、「日本人は生産性が高いと、つくづく思いました」と語ったのでした。
無報酬の捕虜なのに、日本人捕虜たちは与えらえた仕事をしっかりと実行していたという事実。抑留の日々を振り返るときに、それは三波にとって、誇りとして思い出されることでした。

ではまた、来週金曜日に更新いたします。