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2019年09月20日

まほろば紀行 永六輔氏と行く検証の旅『国宝・中門の柱の形』②

 ドイツの技術者が唸(うな)ったのは、日本の製品においては、心棒の中ほどがふくらみを持っていて安定していたからです。エンタシスの柱と同じ形をしているわけですね。


 法隆寺の柱と心棒をくっつけて考えるのは乱暴かもしれませんが、私はこの話を知って、法隆寺の柱のエンタシスは日本人の独創だと思いました。ギリシャ神殿から日本には三万キロ以上の距離がありますが、彼の地から日本まで何万何十万の寺院があっても、エンタシスの柱はひとつも見当たらないというのです。
 ただし、法隆寺を建てるときには外国の技術者も招かれたそうで、情報を掴むことにかけては日本民族は鋭敏ですから、エンタシスのことを耳にして柱を作ったのかもしれませんけれど。
 しかし今回の旅で元興寺(がんごうじ)やその他の寺院を参拝したとき、国宝中門と同じように柱の中ほどが太くなっていて、堅牢安定この上なしという形をこの目でたしかめて、それがあまりにも建物や風景にしっくりとはまっていて......やはり日本人の独創では、と思うのです。

歌手としての地方への旅は、必ず“公演”のための旅です。
ですが、この番組ロケの旅は“公演”は無いので、気持ちもちょっと楽だったようで、色々と気になるものを拝見するのも、ノビノビとじっくりと楽しんでいた姿が思い出されます。

ではまた来週金曜日に更新いたします。