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2019年09月06日

まほろば紀行 永六輔氏と行く検証の旅『憲法を定めし太子偲びつつ 旅に嬉しや友の笑顔よ』⑦

 ところで法隆寺には七不思議と言われるものがあって、その中でおもしろいのは、


一、くもが絶対に巣を作らない。
一、雀やその他、鳥は堂塔に決して糞をかけない。
一、五重塔の最上部の九輪に四つの鎌がかかっている。
 この四つの鎌のことについて、案内をしてくださった古谷さん曰く、

 「定かに説明ができませんが、創建時より幾歳が過ぎてからだとも言われます」
 「そうですか。四本の鎌を配してあるのは、四方の魔除けと考えてもよろしいわけでしょうか」
 「ええ、そう考えてもよいと思います」

 思わず見上げた九輪にある、揺るぎない姿の四本の大きな鎌。
 私はふとそのとき、やはり太子の指令の下に、鎌を魔除けとして下げられたのではなかったのか、と思いました。いや、むしろ、魔除けというよりも大和国の豊穣さを讃え、働く人々の誇りを鎌に表してお示しになったのではないかと考えました。
 鎌は百姓が使う収穫時の第一の用具。ザクリザクリと音立てて稲を刈り、麦も刈る。
 可愛いい馬のために草も、そして萱(かや)も桑の木も、ザクリザクリと、鎌の刃先がきらめくときは稔りの秋です。鎌は働く人の汗の輝きを表しています。

聖徳太子を尊敬し、ファンである三波春夫の「魔除け説だけではない、鎌の謎の分析」はいかがですか?
物事を観るときに、その人物の心の躍動を観るような、そのような観方をする三波でした。

ではまた、来週金曜日に更新いたします。