籠の品道 釈氏憲法 第十六条③
《三波春夫の解説》
その昔、中国密教の宗祖・恵果から、「そなたに宗祖を譲る」 と託されたのは、日本の空海弘法大師でした。高野山に秘蔵されたままの弘法の密教。これは中国の道教などと共に、研究開拓された奥深い学問・呪術と聞いていますが、私などの素人には全く分かりません。
余談ですが、弘法大師は中国へ渡ったとき、すでに漢字を漢音で間違いなく話し、その文字の達筆さに中国の人々がびっくりしたそうです。千二百年前のことですね。
しかし、インドでは現在、仏教ではなくヒンズー教が国教ですし、中国にも昔の仏教はありません。日本では、お寺で除夜の鐘を突いてから神社へ初詣をすることに違和感のない民族の姿があるわけですが。
では、最後の条文へ参りましょう。
《本に記載されている欄外解説》
空海(弘法大師)
平安時代前期の僧。真言宗の開祖。唐に渡って密教を学び、帰国後に高野山金剛峯寺を開いた。また、詩文や書にも秀でた才人。七七四~ハ三五年。
仏教者に対する憲法の条文も、
あと一つとなりました。
来週、また金曜日に更新し、ご紹介します。