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2016年06月03日

聖徳太子憲法を読む 契の信道 政家憲法 第八条

契の信道 政家憲法 第八条

『刑を行うは、政で重きことなり。
以て、之を輙くおこなう則は、先皇の道を失う。天の瞠る
所は専ら、此れ政者にあらむか。刑は、
不孝を一と為し、不梯を二と為し、
不忠を三と為し、不義を四と為せ。
孝悌すたれ、忠義亡ぶ、忠義亡んで亂賊満つ。無道の君者
は、亂賊を悪んで乃れを刑するも、之れ不孝を赦し置くは、
刃を折と雖も治を得ず。あに本亂れて其の末治ま
らむや。』


《読み方》
しおきを行うは、まつりごとで 最も重きことなり。
もって、これを たやすく おこなうときは、さきつ みかどの道を失う。
天の 見張る所は もっぱら、これ まつりごとをなす者に あらむか。
しおきをおこなう は、不孝を一となし、ふていを二となし、不忠を三となし、不義を四となせ。
こうてい すたれ、忠義 ほろぶ、忠義 ほろんで らんぞく みつ。
無道の つかさらは、らんぞくを にくんで これを しおきするも、これ ふこうのともがら を ゆるしおくは、刃を、折るほどにしおきす といえども おさむことを
えず。
あに もとみだれて そのまつ おさまらむや。


《訳》
行刑は政治の重大事である。たやすく行えば先皇(昔のよい皇帝)の道を失ってしまうからだ。天が政治をする者を注意して見るところはここにある。刑罰の重いか、軽いかを判断するには、不孝を第一の罪とし、不悌を第二、不忠を第三、不義を第四とせよ。考悌の道がすたれ、忠義が滅びれば、盗賊が乱舞して国中に萬延するだろう。無道の役人は賊乱を憎んでこれを罰するが、不孝者を赦してそのままにしておく。このようにしては、いつになっても賊はなくならぬ。その本が乱れていては、未端は治まるものではない。


《三波春夫の解説》
“処罰することは、政治の中でも最も重大なことである”と、
ここでも太子は、処罰のことに触れています。そして、“処罰す
るときは、第一に不孝、第二に不悌、第三に不忠、第四に不義
とせよ”とされ、不孝者の罪が一番重いことを示しておられます。

不孝は、親に対して。不悌は年長者、不忠は君主、不義は人の道、それぞれに反することを言うようです。
分かりづらいですが、条文の意味するところを噛みしめてみると、ちょっと分かって来ます…。

ではまた、来週金曜日に更新いたします。