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2016年05月27日

聖徳太子憲法を読む 冠の位道 政家憲法 第七条

冠の位道 政家憲法 第七条

『正政の要は良哲を尋ね索して用い得ることにあり。
仁徳無き者は、諸の好に偏れん。
勇徳無き者は、諸の威に怖れん。
義徳無き者は、諸の賂に迷わん。
智徳無き者は、諸の巧に幻らまされむ。

是れ四徳、有るは賢なり。賢は得ること難し。故に一徳に
合う者を賢に代えよ。主上、賢を好みて一徳の者を得うる
は賢もまた来たらむ。』


《読み方》
かたよらぬ政治の要は かしこきひと を たずねいだして 用いうることにあり。
いつくしみのこころ 無き者は、もろもろの好みにとらわれん。
いきおしのこころ 無き者は、もろもろのおどしに おそれん。
けじめのこころ 無き者は、もろもろのまいないに 迷わん。
ちえのひかり 無き者は、もろもろのたくらみに くらまされむ。
是れ四つの徳、有るは賢なり。
賢人は うることがたし。
故に いっとくに かなう者を 賢に代えよ。
みかど、賢人を好みて いっとくの 者をもらいうるは たのけんもまた かならずや きたらむ。


《訳》
正しい政治をする要は、良哲を訪ね求めて、これを採用することにある。政治をする者に仁徳がなければ、己の好むものに贔屓し、勇徳がなければ、威ある者をおそれ、義徳がなければ、賄賂に迷い、智徳がなければ、巧者にくらまされる。この四徳をすべて持つ者は賢者であるが、賢者を得ることは難しい。そのときは、一徳ずつ持つ者を、供せ用いて賢者に代えるがよい。主上が賢者を好んで、一徳ある者を用いれば、やがて四徳ある賢者も出て来るだろう。



《三波春夫の解説》
この条文は、人材の登用に関するものです。
〝正しい政治に肝要なのは、良哲を尋ね求めて、これを採用することだ”とされています。そして、政治に携わる者に必要なのは、仁(おもいやり)、勇(勇気)義(正義感)、智(知恵)だとおっしゃっています。

仁・勇・義・智を持った良哲が、政治を、是非是非。

ではまた、来週金曜日に更新いたします。