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2016年03月11日

聖徳太子憲法を読む 鼎の法道 通蒙憲法 第十七条

鼎の法道 通蒙憲法 第十七条

『篤く三法を敬え、三法とは儒釋神なり。
則ち、四姓の總の歸にして萬國の大宗なり。
何れの世、何れの人か、是のごとき法を貴ばざる。
人には、尤も悪は鮮し能く教かば之れに從う。
三法に歸せざれば何を以て枉を直さん。』


《読み方》
 大事は これ 独りにてさだめざれ。必ず もろびとと共に よろしく 論議すべし、小事は これ かろし 必ずしも衆議するに及ばず。
 ただ、大事を定めるにおよびては、或は おろかにして あやまりあらむ。
 故に もろびとと共に あいゆずり語り合え、すなわち ことわりをうべし。


《訳》
 篤く三法を敬え。三法とは儒、釈、神である。これは四姓ともに帰依するところで、万国の大宗である。
 いずれの世代、いずれの人も、この法を貴ばないものはない。
 人間には極悪のものは少ない。
 よく教育指導すれば、これに従うものだ。
 その教育指導は三法の教えによれ。
 三法に帰依しなければ、枉(まが)ったものを直すことができない。


《三波春夫の解説》
 いよいよ通蒙憲法のラストになりましたが、太子は条文の結びとして、更に学べと励ましておられます。
 毎日、さまざまな問題が起きて来るが、それを正しい方向へ解決するためには公務員たちよ、広く深く学問をせよ。その精進の中から正しい答えが出る。
 神と仏と儒を学べという意味は、日本人としての自覚を持ちながら、世界の学問哲学を、処世訓を研究しなければならないということだと示しています。
 私たちは、ともすれば、あれもこれも分かったつもりでいるようですが、大きな事故が起きたりすると、実際には大事なツボが、まるで分かっていなかったのかと驚かされることがあります。
 生涯学習という言葉は、ここら辺りから出たものと考えても間違いないようです。
 太子は最後に『最も悪い人間というものは多くはないのだ。その人たちも導き方によっては善人になる』と示しておられました。ここが太子の優しい眼差しの光でしょうか。
 通蒙憲法のお勉強はひとまずここで終わりますが、更に四つの憲法の中から現代に響きつながる条文をあげて書いてまいりましょう。

 『大きな事故が起きたりすると、実際には大事なツボが、まるで分かっていなかったのかと驚かされることがあります…』
 3月11日という今日に、この文章は心に響きます。

 第二条の解説にもありましたが、「篤く三法を敬え」は仏教を篤く云々…と言っているのではない、という解説をよく理解したいと思います。

 公務員に対しての条文は本日でオシマイです。
 次回からは、政治家に対する条文です。

 来週金曜日の更新を、お楽しみに!