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2016年02月12日

聖徳太子憲法を読む 地の徳道 通蒙憲法 第十三条

地の徳道 通蒙憲法 第十三条

『群臣百僚嫉妬有くこと無れ。
我れ人を嫉まば既りて人もまた我れを妬まむ、
嫉妬の患い其の極を知らず。智己に勝れるときは悦ばず。
徳己に優れるときは嫉妬す。是を以て、良哲出ずることなし。
乃令五百歳の後にいたるも、
賢に遇わしむることなく千歳にして以て一の聖も得ること難し。
其れ賢聖を得ざれば、何を以てか國を治めん。』


《読み方》
つかさたち もものつかえびと ねたみそねみの心 いだくことなかれ。
我れ人をそねまば かえりて 人もまた 我をねたまむ、ねたみそねみのわずらい その極みを知らず。物知り 己れに勝るときは よろこばず。
ひとがら 己れにすぐるときは そねみの心を燃やす。これをもって、すぐれたる人 いずることなし。
たとえ 五百歳ののちにいたるも、賢き人にあわしむることなく 千歳にしてもって一人のひじりも うることがたし。
それ ひじりびとを えざれば、何をもってか 国を治めん。


《訳》
 公の仕事に就く者は互いに嫉妬するな。己が人をねためば、人もまた己をねたむ。嫉妬の憂えは際限のないものだ。ねたみをする者の心は、智が己より勝るものを喜ばず、徳が己より優れるものをねたむ。このような人物が上役にあっては、良哲の人を見いだすことはできない。たとえ五百年たっても賢人に会うことなく、千年を費やしても一人の聖人も得ることができないだろう。賢人、聖者を得なければ、どうして国を治めることができようか。


《三波春夫の解説》
 “人が人を作るものだ。傑出した指導者がいなければ国は発展しない”と書いておられますね。
 江戸時代の女性の修養書「女庭訓」に『嫉妬は女の慎むところなり』とありましたが、どう致しまして、実際には男の方が何倍もやきもち焼きです。
 太子の憲法で諫められたのは、公の仕事の中にこのやきもちが入りこんではいけないということです。
 昭和の経営の神様・松下幸之助氏の言葉も有名ですね。

『人間は誰でも嫉妬心があるんや。しかし仕事の上では邪魔になる。嫉妬するときは、狐色にこんがりと上手に妬かなあきまへんで』

 本当にむずかしいことですが、小さなことにこだわっていては、大局的な物の見方ができなくなります。
 更に人間の品格を高めるについては、なおさらと感じます。

 本日分も、金言の条文でした!
 そして、父の解説の中に、”女性の嫉妬より男性の嫉妬が…”とありますが、確かに確かに…。

 ではまた来週金曜日、心洗われる条文、ご紹介いたします!