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2015年11月13日

聖徳太子憲法を読む 斗の順道 通蒙憲法 第二条1

斗の順道 通蒙憲法 第二条1

『詔を承りては必ず謹め。
君は之れ天に則り、臣は之れ地に則る。
天は覆い地は載せて、四時順り行き、萬氣、通ずることを
得せしむ、地もし天を覆わんと欲む則は、壊れ致すのみ。
是を以て、君言ば臣承り、上行さば下これに效うは
是れ天地の則なり。
故に詔を承りては必ず愼め、謹まざれば自ら敗ばん。』




《読み方》
みことのりを うけたまわりては 必ずつつしめ。
みかどは これ天にのっとり、つかさたちはこれ地にのっとる。
天はおおい 地は載せて、よっときめぐり行き、
よろずのき、通ずることをえせしむ、
地もし天をおおわんとのぞむときは、やぶれなすのみ。
これをもって、みかどみことのれば おみうけたまわり、
つかさたちしめさば おおみたからこれにならうは
これ天地のさだめなり。
ゆえに みことのりをうけたまわりては 必ずつつしめ、
つつしまざれば みずから ほろばん。



《訳》
天子のみことのりを受ければ、必ず謹んでこれを奉ずるがよい。君は天、臣は地である。天は上にあり、地は下にあって、春夏秋冬に順行して、ここに初めて万気が通ずるのである。もしも地が上に行って天に代わろうとすれば、破壊があるばかりだ。従って君の命令があれば、臣はこれを承り、上の行うところは下これに倣って、みことのりは謹んでこれを奉ずるがよい。奉じなければ、自ら敗れる。


《三波春夫の解説》
 第二条の条文について、「あれ?自分が読んだものと違う」と仰有るお方が多いと思います。「篤く三宝を敬え」という条文がよく知られていますが、実はこれが正しいのです。皇太子が編纂を命じられた『先代旧事本紀大成経』の中にはこの文言があります。
 一般的に伝えられている太子憲法の第二条は、明らかに仏教者が時の勢いに乗じて改竄したものと考えられます。なぜなら「篤く三宝を敬え。三宝とは仏法僧なり」としてあるからです。国家公務員に対しての基本法である「通蒙憲法」の二条目に天皇がこんなことを言われると思いますか?
 まず第一に「三宝」ではなく「三法」なのです。「三法」の意味については後述する第十七条に述べられており、神と仏と儒の三つを指しています。そして、太子は、
「三法とは万国の大宗である。神は日本の神道。仏はインド(天竺)の神道。儒はもろこしの神道。必ずこれを勉強し、人間修行を怠ってはいけない」
と訓えておられます。
 ここで突然ですが、掛軸や置物になっている「七福神」を思い出してください。七柱の神様が一つの船に乗ってニコニコと笑っていらっしゃるこの神々は、仏教の守護神である大黒天と毘沙門天、インドの弁財天女、漢の国土の布袋和尚、中国道教の福祿寿に寿老人、日本の恵比寿様。
 これはという神々を七という数にまとめて「七福神」とした構図は、日本独特のもので、太子の示す三法の大衆的表現であったと思います。
 そして更に、宗旨にこだわらずに生きるためのバランスを教えたのかもしれませんね。

聖徳太子の「三宝」は「三法」なのでした…。

次回は、三波春夫の解説の続きです。

来週金曜日に更新いたします。