« 前   TOP  次 »

2010年03月19日

十五万六千円の結納金 5

三波春夫著 「三波春夫でございます」より

 ついでに、自分の浪曲を仕上げるために、絶対に必要だとかねがね思っていた、当時としては貴重品だったテープレコーダーを買うのに四万五千円。


そして・・・・・・残りの九万一千円は、「よろしくお願いします」とそっくり家内に預けてさっぱりしました。
「現物給与」みたいだけれど、まぁ結納金にあたる三味線代が二万円なのに、自分の芸のためのテープレコーダー代が四万五千円。思えばちぐはぐで、勘定にうとい私の、お金のつかいようとはこんなものかもしれませんが、残金をそっくり預けてしまったあたりも、また私流儀でした。
 もっとも、最近、妻と新婚時代の話がでて、例の二万円の三味線代を渡されたときに家内が思ったのは――、「三味線さえあれば、いざ離婚ということになっても、これ一丁、一人で生きていくこともできる」。 

 母の三味線の音色について、以前もブログでお伝えしたことですが、「ペンッ!!」とひとバチ弾いたその音から聴く人の背筋をシャンとさせるような、ビシリと響く音色でした。
悪い事をしてないのに「すいませんっ」って言っちゃいそうな迫力と言いますか(笑)。例えば、和太鼓のいい音を聴くと「キターッ」って思ったりするじゃないですか。あの感じの、なんかもっとコワい感じです(笑)。
 ではまた、来週金曜日に。