
ただし、手を拱ねいていては、その「神様」の姿を見ることができないことは言うまでもありません。
私のために、時間をさき、入場料を支払って、わざわざ来て下さったお客様に、失望や落胆を与えることになったら、芸能者として死ぬほど恥ずかしいことだ。これは、演じる側の私にとっては、絶対にゆるがせにできないことです。だから、私はつねに最高の歌を、本当の演技をしなければならない。「神をうやまい、神を恃まず」――その時、はじめて「神様」という名のお客様の姿を見ることができるのです。
日本人は、古代から天に地に、森に川に山に海に、そして石にまで、すべて人間を育くみ、生かしてくれる自然環境のひとつひとつの主たちには神が宿ると信じてきました。日本人は、そうしたやわらかで謙虚な心を持ち続けてきたことによって、神々の恩恵を受けることができたのです。
私が、芸能者としてお客様を「神様」と実感できるようになったのは、禅僧であった叔父黙雷和尚に、青年のころ、厳しく「心を磨け、心で人を観よ」と教え込まれたおかげと感謝しています。
奢りの気持ち。これは、立場や職種を問わず、自分の心に絶対に育ててはいけないもの。その姿勢は父の晩年に一緒に仕事をして、勉強させてもらったように思います
さて、「お知らせ」です。今月26日土曜日(午前10:05~11:35)にNHK総合テレビにて、『昭和歌謡黄金時代~三波春夫と村田英雄~』がオンエアされます。以前、NHKBS2で二度オンエアされたものの再々放送です。大変に好評を得た番組ですので、ぜひぜひご覧ください。なお、北海道のみ、12/31 10:05~11:35のオンエアとなります。
ではまた、来週金曜日に。
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