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2009年07月10日

イブ・モンタンと雲右衛門 1

三波春夫著 「すべてを我が師として」より

                              昭和三十七年六月
「雲右衛門とその妻」の撮影に先立って、イブ・モンタンの公演を見学した。彼はあれだけの名声を得るに足る人格者であり、努力の天才児であるとしみじみ感じられ、溢れるような真心が、人の心を濡らして行くような歌いぶりであった。時に見せる厳しい表情の中に、苦闘のかげを見出すことがあった。


 彼の舞台で特に面白いと思ったのは、楽団員を紗幕(しゃまく)に隠して、モンタンだけがスポットを浴びる演出。これは、かつて雲右衛門が曲師を屏風(びょうぶ)のかげに入れて、語り手だけを舞台に浮きあがらせて見せたことと共通するものを感じ、興味深かった。

<八島>
昭和37年当時、イブ・モンタンの来日公演が実現することはスゴイことだったわけです。
現代では、バンドが見えないステージを特筆する感覚はないですよね。この公演は、日本の歌手のステージがバラエティに富む前のことでありました。
ではまた、来週月曜日に。