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2008年11月17日

ふるさとは尊くもまた 9

三波春夫著 「すべてを我が師として」より

 こうして、たった一日だけでしたが、感銘深かった、私の郷土訪問の旅は終りました。あの山と川と、田畑と森と雪があるかぎり、昔なじみの人々の顔がそこにある限り、私は決して故郷を忘れないでしょう。まして母が静かに眠っている故郷を。


 私は、つきぬ別れを惜しみながら、その日の夜中ふたたび汽車に乗って、次の公演地へといそいだのです。ふるさととは、成功せずんば帰る場所には非ずと誰かがいった。ふるさとは尊くもまた厳しい師だと思いながら……。
 さて、こんなふうにして、歌手としての道をまっしぐらにつっ走る私に、やがて一つの転機が訪れました。

<八島>
 ふるさとの地を、顔をあげて踏めるかどうかが試金石。現代でも、そんな気骨を持って頑張っている人が大勢いらっしゃいますが、かっこいい…。