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2008年02月05日

再び浪曲の舞台へ 7

三波春夫著 「すべてを我が師として」より

 後日、父は村長さんから、
「兄弟二人とも、なかなか勉強してきたわい。たいしたもんだね、北詰さん」
 と、賞(ほ)めるとも、皮肉(ひにく)ともつかないことをいわれ、渋(しぶ)い顔をして帰ってきたものです。


 その内山村長さんが、のちに私が歌手となって故郷に帰った時、歓迎会の席上で尻(しり)はしょりして、物差(ものさ)しを腰にはさみ、
  合羽からげて三度笠……
 と踊ったあげく、私の手をとって、しみじみ、
「よかった、よかった」
 と喜んでくれました。私は感激(かんげき)するとともに、かつて、この村長さんに反抗(はんこう)したことを鮮(あざ)やかに思い出していました。

<八島>
 人の成長は時間をかけて見守ることも必要、という一例でありましょうか。