« 前   TOP  次 »

2007年12月07日

シベリヤの春 18

三波春夫著 「すべてを我が師として」より

 語り終った私は、全身にふつふつとたぎり立つ感激におそわれました。その日から、私はすこしずつ思想的な浪曲家と変っていったのです。
 そんなある日、ソ連軍の中将が私を所内に訪ねてきて、モスクワの劇場のある芝居に出演するようにと、すすめに来てくれたのです。


 しかし私は、ロシヤ語が喋(しゃべ)れないからと、はっきりことわりました。その中将は、しきりに残念がりながら、帰って行きました。
 上官や友だちも、残念がってくれましたが、私は、
「モスクワの劇場へ出るよりも、早く日本へ帰りたいよ」
 と、冗談にまぎらわせていました。

<八島>
色々なことが起こりますね…。
ではまた、来週月曜日に。