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2007年11月16日

シベリヤの春 4

三波春夫著 「すべてを我が師として」より

「ズドラスチ(こんにちわ)」
 するとその人は、小さな声で、
「ズドラスチ」
 と、答え、はにかんだような微笑を返してくれ、そのまま行ってしまいました。でも、私はそれだけで十分満足して、彼女のうしろ姿を見送っていました。


「おい、北詰。何を見てるんだい」
 仲間のひとりがたずねましたが、私は黙っていました。なにか喋ると、その人の声が耳の底から消えて行きそうな気がしたので……。

<八島>
純情な北詰青年は、この時22歳であります。
 ではまた、来週月曜日に。