
やがてそのアパートの補修作業も終って、次の日からは、もうここに来ないという日、私がお別れの挨拶に行くと、奥さんは、
「からだを大事にして、一日も早く日本へ帰り、ご家族の方に逢えることを祈っていますよ」
と、励ましてくれました。
私には、その奥さんが、優しい姉のように思えて、ふと涙がこぼれそうになりました。
雪どけの道をふり返りふり返り帰って行く私たちを、大勢の人たちがアパートの窓から、手を振りながら見送ってくれていました。
<八島>
戦後50年の特番ロケで、ハバロフスクの日本人捕虜が建てたアパートを取材した時のことです。古いけれど頑丈に今もあり、現地の人達が住んでいるそのアパート。そして隣は、アパートの跡地に再度建てているという建築現場。住民の小母さんが語りました。
「私たちが住んでいるこのアパートはね、昔、日本人の捕虜が建てたんだけど、丈夫だから今でも住める。でも、隣の壊れちゃったアパートは、ロシア人が建てたものだったのよ(笑)」
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