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2007年09月11日

わが退却の記(3) 9

三波春夫著 「すべてを我が師として」より

だが、たったいま拳銃の弾丸を、みずからの手でコメカミに撃ちこんで死んで行ったあの兵隊のことを思うと、私の心は痛むのでした。もう二、三十分、斥候兵の帰りが早かったら、彼は、誰ひとり訪れることのない北満の野辺(のべ)に、骨を埋めることはなかったでしょうに……。


 人間の運命とは、こんなものなのでしょうか。
 部落はもう目の前にありました。私はそのとき、ふと、今日が母の祥月命日だったことを思い出したのでした。