« 前   TOP  次 »

2007年09月26日

日本敗れたり 9

三波春夫著 「すべてを我が師として」より

 彼の口癖の「ゴベット」という言葉が飛びだしたので、私たちは思わず笑い声をあげました。
「じゃ、元気でな」
 彼はスッと立ちあがると、部屋を出て行きました。背中を丸めたそのうしろ姿は、いかにも寒そうでした。


 そのときかぎり、小池一等兵の消息は、誰に聞いても分かりませんでした。彼はよく、妻と幼い娘の写真を私に見せては、幸福だった家庭生活を誇らしげに語っていましたが。戦争とは一体誰の責任なのでしょうか。

<八島>
この小池さんという方が、生きて日本に帰られたことを願いたいです。
 ほんとうに、戦争とは誰の責任なのでしょうか。傲慢な心や、度を越した執着心をもたず、他人、他の国を尊重し生命の尊さを一番とすれば、戦争が起きることも兵器の製造がされることもないと思います。とにかくいつまでたっても、正と負がいつまでも終り無くセットで存在し続けるのが、この世の中なのでしょうか。