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2007年07月31日

わが退却の記(1) 11

三波春夫著 「すべてを我が師として」より

 敵の包囲を脱出、さらに四キロほど逃げたあたりで、私たちは三十分ほどの眠りをとりました。そして、また歩きだしました。
 目的地はウリクリ山というところで、だいぶ遠いけれど、そこは日本軍の陣地になっているのです。夜がほのぼのと明けてくる中を、一刻の休みもなく、歩きつづける兵隊たち。


 前方に大きな沼が見えてきました。ウリクリ山へ行くには、その沼を渡らねばなりません。しかし、幸いにも沼は浅い湿地帯だったので、水は膝のあたりまでしかない。
 全員ザブザブとはいって行きます。前後左右を見まわすと、あいつもいる、こいつも生きていたかと、戦友たちの顔のなつかしさ。互いに手をあげて合図したり、声をかけあったりしました。

<八島>
 平和な社会の中でも「仲間が居てくれる」ということは嬉しくて心強いものですが、この戦争の最中での「あいつもいる、こいつも生きていた」ことを発見出来る嬉しさは、比較にならないほどでしょうね。


 では、昨日からスタートしましたNHK教育テレビ22:25~『知るを楽しむ』三波春夫編再々放送。
今夜も是非ご覧ください。