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2007年07月13日

北満戦線の戦い 17

三波春夫著 「すべてを我が師として」より

 部隊本部は、予定通り撤退してしまったのでした。私は、すでに戦死したものと見なされて、置き去りにされたのだろう……。


 私は、そろそろとトーチカの外へ出てみました。だが、いったいどこへ行けばいいのだろうか。夢中で壕の中を歩き回った。明けがたまで降りつづいた雨で、壕の中にたまった泥水は、血潮で赤くなっていた。
 誰ともわからない戦友たちの屍をまたぎながら、
「俺はぜったいに、こんな姿にはならんぞ」
 そう心にいい聞かせながら、部隊のあとを追って行きました。

<八島>
 地獄のような風景の中でも決然とした意志をもって動かなければ生き残ることは出来ないのでしょうが、どの方向に行けばよいのか全く見当がつかないというこの時の心境は、どれだけ心細いものだったかと思います。
 ではまた。来週は火曜日に更新いたします。