
首をあげて敵の陣地を眺めた私は、思わず「あっ!」と声をあげました。ソ連兵が、野砲をこちらに向け、何の偽装もせずに、悠々と攻撃態勢をとっているのです。
その野砲の砲口が、パッと金色の火をふいた。次の瞬間、味方のトーチカは打ち砕かれていました。
思わずカッとなった私は、小銃を構えなおすと、その砲兵隊めがけて引金を引きました。もう一発。そして、すばやく移動したのですが、運の悪いことに、たったいま私が発砲したその場所に、下級兵の一人が前進してきて、頭をあげたのです。
「危い!」
私が叫んだ次の瞬間、ソ連の狙撃兵の撃った弾丸は、その下級兵の眉間を貫いていました。
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